相続放棄をすると裁判所から呼び出しを受けるか
1 相続放棄をした際家庭裁判所から呼び出しを受けることはある
相続放棄申述書を管轄の家庭裁判所に提出すると、家庭裁判所は相続放棄を認めてよいかどうかの審査を行います。
審査の過程の中で、書類のみでは相続放棄を認めてよいかどうかの判断ができない場合、家庭裁判所は申述人(相続放棄の申述をした相続人)を呼び出すことがあります。
実務上は、相続放棄の申述を割いた際に、家庭裁判所から呼び出しを受けることは稀です。
以下、相続放棄の流れと家庭裁判所から呼び出しを受け得るタイミング、および家庭裁判所から呼び出し受けるケースについて説明します。
2 相続放棄の流れと家庭裁判所から呼び出しを受け得るタイミング
相続放棄の申述に必要な書類が揃ったら、管轄の家庭裁判所(被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所)に、相続放棄申述書等を提出します。
書類の提出を受け、家庭裁判所はまず書類の不備などの形式的な審査をします。
不備がある場合には、申述人や代理人に連絡をし、修正や追完等を求めます。
通常、この段階で家庭裁判所に呼び出されることはありません。
形式的な審査が終わると、相続放棄の申述に至った事情などの審査を開始し、相続放棄を認めてよいか否かの検討に移ると考えられます。
このとき、家庭裁判所は、相続放棄に申述が申述人の真意によるものであるか、および法定単純承認事由の有無を確認するため、申述人や代理人に質問状(照会書)を送付することがあります。
多くの場合、この質問状に対して問題なく回答ができていれば、家庭裁判所に呼び出されることはありません。
そして、家庭裁判所が相続放棄を認めても問題ないと判断した場合、相続放棄申述受理通知書が発行され、相続放棄の手続きは終了します。
3 家庭裁判所から呼び出し受けるケース
家庭裁判所が申述人を呼び出す判断をする明確な基準があるとはいえません。
呼び出しを受けると考えられるケースとしては、1つは、質問状への回答に不備がある場合です。
質問状の回答内容が、申述書の内容と食い違っていたり、曖昧なものであったりすると、家庭裁判所はさらに詳しく確認するために、申述人を呼び出す可能性があります。